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日本臨床化学会 事務局
〒151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷5-8-10-605
株式会社エム・シー・アイ内
TEL.03-3354-2006
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jscc@mc-i.co.jp
自己紹介
鹿児島大学医学部卒。医学博士。癌研究会癌研究所、スウェーデン・ウプサラ大学ルードヴィヒ癌研究所を経て、２００５年より富山医科薬科大学（現 富山大学）医学部臨床分子病態検査学講座に所属。
研究紹介
この度は歴史ある臨床化学会の学術賞に選出いただき、大変光栄に思います。学会ならびに選考委員の先生方に心より感謝いたします。今回選出いただいたTm mapping法とは、Tm値の組合せを利用して起炎菌を迅速同定する新たな方法（2010年国内特許、2012年国際特許取得）であり、特に迅速性が要求される重篤な敗血症において役立つ検査となることを期待しています。また、患者検体より直接・正確に起炎菌をPCR検出するため、eukaryote-made thermostable DNA polymeraseを三井化学（株）と共同開発（2014年国内特許取得）して、Tm mapping法で使用しています。本研究の実用化への取組みは、AMEDの平成２８年度「産学連携医療イノベーション創出プログラム」イノベーションセットアップスキームに採択されました。今後はTm mapping法の製品化（キット化）と先進医療化を目指すと共に、molecular techniquesを用いた新たな感染症検査法の開発に取り組んでいきたいと思います。
自己紹介
2002年モンゴル国立医科大学医学部医学科卒（MD）、2011年東京大学大学院 博士課程修了、博士（医学）取得。2011年東京大学大学院 医学系研究科 分子細胞生物学分野 特任研究員、2012年より東京大学医学部附属病院 検査部 特任研究員。
研究の紹介と今後の抱負
I would like to express my sincerest thanks for being selected as an award recipient. It is a tremendous honor to be acknowledged by such an esteemed, prestigious organization, and to be a member of the Japanese Society of Clinical Chemistry. I am grateful for the opportunity you have given me to further my research.
My research during PhD study focused on cancer and the cell cycle in order to understand the molecular mechanism of malignant transformation and growth control by regulating various growth and apoptosis factor. Therefore, I have continued my research not only on cancer research, but also on diseases, which become basic settings for cancer from a clinical point of view. The main research theme of our laboratory is bioactive lipids, and I have studied the functional roles of sphingosine 1-phosphate (S1P). The role of S1P in liver fibrosis or hepatocellular carcinoma (HCC) was not fully examined in human. Controversy also exists which S1P receptors, S1P1 and S1P3 vs S1P2, would be importantly involved in its mechanism. To clarify these matters, HCC patients who received liver resection were enrolled. S1P metabolism was analyzed in background, non-tumorous liver tissue. We have found that the expression of S1P2 is increased in liver fibrosis and suggested that S1P2 is involved in the proliferation of hepatic stellate cells in the process of liver fibrosis in humans. This study has been extended to clarification of the important roles of sphingolipids in the progression of HCC. The increased sphingosine kinases (SKs) and S1PLyase (SPL) mRNA expression along with reduced S1P levels were more commonly observed in HCC tissues compared with adjacent non-HCC tissues and were associated with poor differentiation and early recurrence.
Now I continue and expand my research on other bioactive lipids (lysophosphatidic acid (LPA), lysophosphatidylserine (LysoPS), lysophosphatidylinositol (LPI) and its receptors) to evaluate their roles and functions in various types of cancer such as liver, or colon cancer. In addition to recently discovered roles and underlying mechanisms, I hope that our study will be one of part to understand cancer development from the research field of bioactive lipids. Moreover, deciphering the biochemical and molecular regulation of bioactive lipid signaling could permit development of novel therapeutic interventions to improve cancer therapy and overcome drug resistance.
会社紹介
この度は、このような大変栄誉ある賞をいただき、誠に光栄に思います。代表理事、学術集会長、そしてご推薦賜りました先生をはじめ、ご協力いただきましたたくさんの先生方に心より感謝いたします。
弊社バイオサイエンス事業は、液体クロマトグラフ、カラム、分離剤をはじめとする「計測分野」と、免疫診断、グリコヘモグロビン分析、遺伝子検査を中心とした「診断分野」で事業展開しています。
研究の紹介と今後の抱負
この度、弊社で開発いたしました自動リポタンパク分析計HLC-729LPIIに対しまして、学術賞をいただきました。本装置は陰イオン交換クロマトグラフィーを原理として、血清検体中のリポ蛋白を分画し、各リポ蛋白中のコレステロール量を定量するとともにリポ蛋白比率を測定します。従来の分画法である超遠心分離や電気泳動法と比較して、迅速かつ簡便に精密な測定が可能であることが大きな特徴となっています。リポ蛋白比率を把握することは、脂質異常症の原疾患の把握や動脈硬化性疾患の予防、治療に役立つと考えられております。本法で測定が可能なIDLコレステロールやVLDLコレステロールの臨床有用性も明らかになってきています。
現在、HDLやLDLをはじめとするリポ蛋白は亜分画とよばれる詳細なサブクラスの研究が進められています。また、Lipoprotein (a) とよばれるリスク因子としてのリポ蛋白も注目されています。本法の応用により、これら亜分画やLipoprotein (a) の測定法を検討し、臨床評価を進めています。本研究を通じて臨床化学の発展ならびに日々の臨床検査に少しでも貢献できるよう研究開発を進めていく所存です。
会社紹介
このたびは日本臨床化学会技術賞受賞の栄誉を賜り、誠に光栄に存じます。
和光純薬工業株式会社は優れた製品を通じて研究・技術開発や医療、ＩＴなど先端産業を支援し、社会に貢献しています。臨床検査薬事業部では、総合臨床検査薬メーカーとしての確かな使命を果たすために、癌や生活習慣病の診断における検査薬、感染症検査薬など、様々な製品の研究･開発・製造に取り組んでいます。私たちは、明日の医療を支える最先端分野において、つねに価値ある検査薬を開発しつづけ、医療の質の向上に貢献できることを目標としています。
研究の紹介と今後の抱負
私の所属している生化学グループでは、迅速で高い検体処理能力をもち、検体検査室で広く普及している生化学自動分析装置用の検査薬開発に取り組んでいます。現在、私はラテックス比濁法を測定原理とする検査薬を中心に研究を進めています。検査薬の高感度化や非特異反応抑制についての独自技術を活かし、これまでに感染症や腫瘍マーカーのラッテクス試薬を上市しています。このたび技術賞を頂いた「Lタイプワコー CK-MB mass」はラテックス比濁法を測定原理とする世界初の検査薬となります。今後も、先進的な独自技術の開発を進めるとともに、より正確で信頼性の高い診断情報の提供を通して医療分野への貢献に努めてまいります。私たちの研究開発において、日頃よりご支援・ご協力いただいている多くの先生方にお礼申し上げます。
自己紹介
2007年東北大学薬学部卒、2009年東北大学大学院薬学研究科修士課程修了。2009年4月東北大学病院薬剤部に薬剤師として入職。同年10月より東北大学未来医工学治療開発センター助手。翌年より東北大学病院薬剤部助手。2015年より同助教（現職）。学位は博士（薬学）、専門は臨床分析化学。
研究紹介と今後の抱負
この度は2016年度論文賞にご選出いただき、大変光栄に存じます。学会ならびに選考委員会の先生方に厚く御礼申し上げます。ご指導くださいました眞野成康教授ならびに共著者の先生方に深く感謝申し上げます。
生体内の主要な脂質の1つであるコレステロールは、種々の生理活性物質に代謝されますが、その体内動態に変化を生じる疾患群では、抱合型代謝物の尿中排泄が増加します。従って、それらを網羅的に解析することで疾患診断マーカーの探索が可能になります。本論文では、抱合形式に特徴的なフラグメンテーションを活用する、抱合体にフォーカスしたメタボローム解析によって、コレステロールの輸送異常症であるニーマンピック病C型と代謝異常症である3β-ヒドロキシステロイド-Δ5-C27デヒドロゲナーゼ欠損症の両患者尿に特徴的な数種類のピークを見出しました。
現在も、クロマトグラフィーと質量分析法を基盤技術とする臨床化学的研究を展開しています。今後も各種病態における、脂質代謝物の変動解析や化学診断法の開発を通じて、臨床化学の発展に貢献して参りたいと考えておりますので、先生方のご指導・ご鞭撻を何卒よろしくお願い申し上げます。
